TypeTalks 第38回

TypeTalks 第38回

『Typography10』刊行記念 小林章「文字の裏ワザ」ワークショップ

出演:
小林章
開催:
2016年11月20日(日) 13:00〜16:00

『Typography10』の刊行を記念して、同誌の連載記事「文字の裏ワザ」を執筆しているタイプディレクターの小林章さんがゲスト。小林さんが連載で解説した裏ワザを復習しながら、欧文書体をデザインする上で大切な曲線の出し方などを学ぶワークショップを開催しました。TypeTalksで小林さんのワークショップは今回が初めてとなります(指導できる人数の上限が20名と限られていたため、今回は「デザイナー2年以上」という応募資格を設けさせていただきました)。

小林さんのフォントを作るワークショップは2日間ぐらいかけて行われることが多いのですが、今回は時間も限られていたため、3時間で指導できる内容の課題が出題されました。「文字の裏ワザ」の連載記事で説明した「直線の太さの調整」や「曲線の調整」のワザを使って、サンセリフのBoldくらいの太さで「DECOR」というロゴをつくるという課題です。ワークショップ時に参加者本人がロゴの調整を行うため、アウトラインをとったデータを持参するという指示がありました。

ワークショップ当日、まず皆さんが作ってきたロゴをA4サイズで出力。それを元に小林さんが一人ずつ指導していきます。「DEに比べてCOが細く見えないか?」「DとOの曲線はこれでOKかどうか?」など、小林さんが受講者に質問。受講者が自分で修正すべき点に気付き、修正してプリントアウトした後、再び小林さんのチェックを受けるというやり方で進行していきました。修正箇所を指示されるのではなく、受講者が自分で気づいて修正をすることによって、ロゴ制作の力がつくわけです。
 
小林さんが一人ずつ回って指導し、だいたい3巡くらいしたところで、ブラッシュアップの作業を終えて、参加者全員のロゴを前に張り出しました。他の人のロゴと自分のロゴを見比べることで新たに気づいた点もあったようです、最後に質疑応答があったのち、3時間にわたるワークショップが終了。自分の手を動かすことによって、書体デザイン、ロゴデザインのエッセンスを身体で体験できるワークショップでした。
 
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