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2019.09.16

ATypI 2019 Tokyo レポート(前半)

 

2019年9月4日(水)から7日(土)まで、日本科学未来館で「ATypI 2019 Tokyo」が開催されました。ATypI(エータイプアイ/アティピ)は、国際タイポグラフィ協会(Association Typographique Internationale)が毎年秋に世界各地で開催するタイポグラフィのカンファレンス。書体関連の企業や個人、デザイナー、カリグラファー、研究者、学生など、世界中から文字に関わる方々が集まり、ワークショップ、プレゼンテーション、展示などを行う文字業界の一大イベントなのです。今年は日本で初めての開催となりました。

 

例年は、ワークショップ2日間、カンファレンス3日間の全5日間という日程ですが、今年は、ワークショップが1日となり、全4日間の日程でした。会期は短くなりましたが、例年は別会場に分けられるワークショップとカンファレンスが同一会場になりました。日本科学未来館7階が貸し切られ、同じフロア内での移動はとてもスムーズでした。

 

こちらがATypIの受付。ここで名前を伝えると、用意されたネームタグ、Tシャツ、バッグが渡されます。バッグ(写真)の中には、書体会社の見本帳やノベルティなどが入っています。今回、450セット用意したそうですが、足りなくなったそうなので、500名近い参加者がいたものと思われます。今年は特にアジア方面からの参加が多かったようです。

 

初日4日のワークショップの様子。Adobeの服部さん、吉田さんによる「Adobe IllustratorとPythonスクリプトで作るOpenType-SVGフォント」(半日のワークショップ)。ワークショップには、半日コース、全日コースがあり、受けたいものを個別に申し込む仕組みです。

ワークショップの全プログラムはこちらを参照ください。
https://www.atypi.org/conferences/tokyo-2019/workshops

 

プレゼンテーションは、登壇者が母国語で話すホール(写真上:未来館ホール)と、それを同時通訳で聞くホール(写真下:イノベーションホール)の2つに分かれていました。例年は英語のみのプレゼンテーションですが、今回は日英同時通訳つき。例えば、ジョン前田さんの基調講演の場合、未来館ホールではジョンさんが英語で講演し、イノベーションホールではその映像と日本語同時通訳された音声が流れます。英語/日本語のどちらか聞きたい方の言語にあわせて、参加者がホールを選択して聴講するという仕組みでした。

 

登壇者が日本人の場合は、未来館ホールでは日本語によるプレゼンテーション、イノベーションホールでは英訳された音声を聞くことになります。こちらは、字游工房の岩井さんによる「仮名の美、再発見」(写真上)。1つのプレゼンテーションは20分間で、4つのプレゼンで1つのセッションになっています。セッションごとにプレゼンターが簡単に紹介し、登壇者が壇上にのぼるというスタイルで、テンポよく進行されていました(写真下のプレゼンターは、字游工房の鳥海さん)。ほかにも日本の書体デザイナーの方々も登壇し、日本語書体について発表していました。東京開催ということで、プログラム全体では日本やアジアの登壇者が多かったようです。

 

プレゼンテーションの全プログラムはこちらを参照ください。
https://www.atypi.org/conferences/tokyo-2019/programme

 

なお、プレゼンテーションは、YouTubeに順次アップされ、視聴できます。

ATypI 2019 Tokyo – YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0oMAzSh5W9qekqvcVFsSYaoO7U_5K6rR

(後半へ続く)