TypeTalks 第39回

TypeTalks 第39回

デザイナーが知っておきたい、西洋紋章の基本

出演:
ミュリエル・ガチーニ
開催:
2017年2月25日 (土) 18:00~20:00

1997年から日本で西洋カリグラフィーと紋章の指導を行っている第一人者、ミュリエル・ガチーニさんをお迎えして、西洋の紋章の基本について、お話しいただきました。ガチーニさんはふだんはご自身のスクールでカリグラファー向けに西洋紋章の授業をされていますが、今回は自分で紋章を作る機会があるようなデザイナーやクリエイター向けに紋章デザインのルールを解説していただきました。

以下、当日に配布された資料からの一部抜粋です。

・紋章学という学問は西ヨーロッパで12世紀の終わりから登場。
・最初は君主の紋章の図柄から基本のデザインが決まる。
・紋章の中の色彩のルール:金属に色を重ねる、色の上に金属を載せる、毛皮の上に色を重ねる、色の上に毛皮を重ねる。金の上に黄色など、似たような色同士を組み合わせてはいけない。
・紋章に使用できる色
  金属:金、銀
  色:赤、青、黒、緑、紫
  毛皮:オコジョ、リス

当日は、スライドを見ながら様々な紋章の事例を解説していただきました。複数の紋章を組み合わせた紋章の例、人名や会社名から作る紋章の例などを見せていただき、デザイナーが自分で紋章をデザインするときの考え方を教わりました。

自己流ではなく、西洋の伝統に則った紋章をデザインするためにはどうしたら良いのか、基本的な考え方が学べたかと思います。今回はダイジェスト版でしたが、さらに学びたい方はガチーニさんのスクールで開催されている以下の講義や紋章学に関する書籍をご参照ください。

・MGスクール http://www.mg-school.com
 「紋章学入門」(6か月コース)

・推薦図書『紋章の歴史 ヨーロッパの色彩とかたち
  M. バストゥロー 著、創元社 刊