TypeTalks 第40回
『Typography11』の刊行を記念して、同誌特集記事で紹介しているMonotypeの日本語書体「たづがね角ゴシック」制作についてのトークイベントを開催。書体制作に携わったタイプディレクターの小林章さんとタイプデザイナーの山田和寛さん、土井遼太さんをお招きして、書体が完成するまでのプロセスを詳しくお聞きしました。
たづがね角ゴシックは、欧文書体Neue Frutigerと組み合わせられるように開発された日本語書体。欧文部分には和文に合わせて調整されたNeue Frutigerが搭載されているため、和欧混植をスムーズに行うことができます。10種類のウェイトが揃ったこの書体が、限られた時間とスタッフでどのように制作されたのか、詳細に説明をしていただきました。
モノタイプ初の日本語フォントを制作するということで、フォント作成のツールをあらたに開発。漢字は各パーツごとにわけ、それらのパーツを組み合わせることで、効率的にフォント制作を行っていきました。10ウェイトの生成については、太い、中間、細いウェイトを先につくり、その間のウェイトを補間していったとのこと。気になる箇所は手動で1文字ずつ修正し、文字組みをして検証するという作業を何周も繰り返したそうです。この膨大な作業をほぼ3人で進めたとうかがって、びっくりしました。
当日は、画面上でフォントをつくっている様子も見せていただけました。普段見られないフォント制作の様子が垣間見られて、大変刺激的なトークイベントになりました。
(フォント作成の様子は、『Typography 11』に記事が掲載されています)