TypeTalks 第40回

TypeTalks 第40回

『Typography11』刊行記念 「Monotypeの日本語書体 たづがね角ゴシックができるまで」

出演:
小林 章ほか、たづがね角ゴシック制作スタッフ
開催:
2017年5月13日(土) 18:00〜20:00

 

『Typography11』の刊行を記念して、同誌特集記事で紹介しているMonotypeの日本語書体「たづがね角ゴシック」制作についてのトークイベントを開催。書体制作に携わったタイプディレクターの小林章さんとタイプデザイナーの山田和寛さん、土井遼太さんをお招きして、書体が完成するまでのプロセスを詳しくお聞きしました。

たづがね角ゴシックは、欧文書体Neue Frutigerと組み合わせられるように開発された日本語書体。欧文部分には和文に合わせて調整されたNeue Frutigerが搭載されているため、和欧混植をスムーズに行うことができます。10種類のウェイトが揃ったこの書体が、限られた時間とスタッフでどのように制作されたのか、詳細に説明をしていただきました。

モノタイプ初の日本語フォントを制作するということで、フォント作成のツールをあらたに開発。漢字は各パーツごとにわけ、それらのパーツを組み合わせることで、効率的にフォント制作を行っていきました。10ウェイトの生成については、太い、中間、細いウェイトを先につくり、その間のウェイトを補間していったとのこと。気になる箇所は手動で1文字ずつ修正し、文字組みをして検証するという作業を何周も繰り返したそうです。この膨大な作業をほぼ3人で進めたとうかがって、びっくりしました。

当日は、画面上でフォントをつくっている様子も見せていただけました。普段見られないフォント制作の様子が垣間見られて、大変刺激的なトークイベントになりました。

(フォント作成の様子は、『Typography 11』に記事が掲載されています)