TypeTalks 第23回

TypeTalks 第23回

石に彫られた文字から書体デザインを学ぼうー本場イギリスのレターカッティング事情2

出演:
ゴードン恵美・髙岡昌生(モデレーター)
開催:
2014年7月21日(月) 18:00〜20:00

石に手彫りで字を彫るレターカッティングは、墓石や番地表示など、現在でもヨーロッパ各地で見られる伝統工芸。なかでもイギリスでは、エドワード・ジョンストン、エリック・ギル、デビッド・キンダースレーらによってその技術が代々受け継がれてきました。

今回のTypeTalksでは、キンダースレーの石彫工房で修行をしたのち独立し、イギリスでレターカッティングの仕事を続けているゴードン恵美さんをお迎えし、先頃イギリスで開催されたレターカッティングの展覧会「MASTERS & APPRENTICES ― THE TRANSFER OF PASSION」の様子をお話いただきました。イギリスのアーツ&クラフト運動の流れをくむエリック・ギルが始めたレターカッティングのワークショップ徒弟制に焦点を合わせ、ギルの著名な弟子たち(デビッド・キンダースレー、ラルフ・バイヤーなど)、そしてそれに続く次世代の主要作品を年代別に展示した展覧会のスライドをもとに、作品の見所を解説。師匠から伝えられたレターカッティングの思想と技術をもとに、弟子たちがそれぞれ個性ある作品を制作している様子や、ギルに多大な影響を与えたエドワード・ジョンストンの文字を学ぶ姿勢も紹介。
トーク後半には、ゴードン恵美さんが石板に文字を彫る実演もしていただきました。ゴードン恵美さんのお話を聞きながら歴史的な文字や石彫りの実演を見たことで、デザイナーに役立つ書体デザインの知識や考え方を学べた会でした。