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2018.09.18

TypeCon2018 レポート2(カンファレンス2日目)

カンファレンス2日目。昨日と同様、9:00に朝食が出て、9:30から最初のプレゼンテーションが始まります。午前中に6本のプレゼン+コーヒーブレイク+1本のキーノートを終えて、ランチタイムです。午後は4本のプレゼン+コーヒーブレイク+4本のプレゼンで17:30に終了。

この日聞いたプレゼンで面白かったのは、MyFonts.comのフォントマーケティング調査結果。どんな人がどんな風にフォントを購入しているのかを詳細に調べた結果を報告していました。また、フランスの書体デザイナー、ジャン=フランソワ・ポルシェさんが作ったカスタムタイプのプレゼンも良かったです。アウディ、ギャラリーラファイエット、イヴ・サンローランなどのカスタムタイプがスライドで紹介されていました。Underwareやクリス・ソワーズビーさんは、新しいテクノロジーとこれからのフォントのあり方について発表していて刺激的でした。

これらのプレゼンテーションはホテル地下1階のホールで開催されています。1つのプレゼンが終わると、プレゼンターが次の登壇者を紹介して次のプレゼンが始まり、時間通りスピーディーに展開していきます。会場でずっとプレゼンを聞くのも良いのですが、他にも様々なイベントが企画されています。

 

カンファレンスと同じ地下1階の別室で開催されていたマーケットプレイス(上写真)と展示(下写真)。マーケットプレイスは書体関係の書籍やグッズを販売する場所で、掘り出しものがたくさん。オークションに出された古い書体見本帳や書体デザイナーのサインが入ったグッズなども並んでいました(オークションは各自が落札価格を記入し、落札者は最終日に購入できる仕組み)。展示は、NY TDCの受賞作品のほか、今年は開催20年記念ということで歴代のTypeConのポスターやバッグを展示。プレゼンテーションの合間にこうした場所をのぞいてみるのも楽しいものです。

 

また、そのほかに屋外に出かけるイベントも多数用意されていました。

この日は、C.C. Sternという活版印刷工房の見学会に参加することに。ホテルからバスに乗って約40分(タクシーだと15分くらい)。何もない工業地帯のような場所にその施設はありました。20坪くらいの部屋の中に10台近い鋳造機や卓上活版印刷機が並んでいるのですが、すべて動かして使える状態で保存されているのだとか。LINOTYPEの活字鋳造機やMONOTYPEのキーボードなどもあり、スタッフの方に機械を動かして説明していただきました。通常は公開されておらず、ボランティアが来ている曜日やこのようなイベントのある時のみオープンしているとのこと。

 

そのほかにも、1日目の夜はポートランドのネオンを見学するツアー、スタンプタウンという印刷所の見学会、2日目の夜はホテルの地下で「SOTA’s Night of Type」というパーティー(上写真)がありました。このパーティーでは、タイポグラフィにまつわるクイズ大会があるのですが、「タイプデザイナーが嫌いな作業は?」「ジョージ・クルーニーをフォントにたとえると?」みたいな問題が出題され、赤チームと青チームに分かれて点数を競いあいます。文字好きならニヤリとしてしまう問題も。

クイズが盛り上がっている横では、オークションが行われていました。有名書体デザイナーのサインが入ったポスターや古い書体見本帳など、100点近いお宝が出品され、落札したい価格を記入していきます。最終日までに一番高い価格を記入した人が落札できるという仕組み。ヘルマン・ツァップさんのサインが入ったポスターを狙っていたのですが、惜しくも落札ならず…でした。

そんなこんなで、盛りだくさんの2日目も終了。残るは明日の最終日です。